黄昏より暗きもの、血の流れより赤きもの

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自分の好きな事を好きなように書いて行きます。

【C86同人誌】myrmecoleon氏著作「コミケ,pixiv,ニコニコ動画 あるいはCGM文化の現在 2014」を読んだ

コミケの隠れた目玉と言える評論コーナー

コミックマーケットと言えばアニメグッズを売っている企業ブースや、アニメの非公式の同人誌を買うイベントだと思っている方は多いのでははないだろうか?しかし科学の本が売られている等の評論コーナーが存在する。さて今日はそんな評論コーナーよりmyrmecoleon氏著作「コミケ,pixiv,ニコニコ動画 あるいはCGM文化の現在」を紹介したい。


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本書の特徴

本書はアニメオタクの巣窟と言うべきコミックマーケットニコニコ動画、pixivなどの参加者や投稿する人の年齢層、投稿するジャンルなどを中心にまとめられている。余談だが表紙の黄色が「パターン認識機械学習(丸善書店)」を彷彿させる。

簡単な統計で的確な説明

ここからは本書の素晴らしい点について話そう。1点目は簡単な統計で的確な説明がされている点だ。例えば第5章で「進撃の巨人は20〜24歳の女性に人気」と言った事をヒストグラムを使って綺麗にまとめられており、そのジャンルを知らない人でも丁寧にまとめられている。

さて昨今統計学を使ったデータの正否の検証、機械学習データマイニングと言ったデータ同士の分類が注目されている。しかしこれらの技術を覚えるだけで手一杯で、「何の為の」と言う部分を忘れてしまう事も多く、「何の為の」を意識した調査を心がけたいものだ。

全体を俯瞰できる素晴らしい構成

2点目は全体を俯瞰しやすい点だ。話変わってこの手の記事は「データのみから各作品のキャラクターの特徴やファン層を掴む」事が主眼となる事が多い。例えば「進撃の巨人を読んだことない人がデータだけでキャラを推測してみる(あんちべ!)」では、pixivのタグ情報などからキャラクターの性別、階層型クラスタリングと言う手法を用いてタグ同士のグループ分け(分類)作業を行っている。かくいう自分もantibayesian氏の真似をして、「pixivのタグ情報+cytoscape+PHPで、「魔法少女まどか☆マギカ」をネットワーク分析」なんぞをやる事がある。

ここで上記2つの調査は、あくまで特定の作品に根ざした調査法である事に注意。これにより特定の作品のキャラクターのターゲット層やイベント状況を調べる事ができる。しかしあるサイト全体を見渡した時に、どの作品がどれだけのシェアを占めているか?と言う情報を得る事ができない。特定の作品に根ざした調査、できる限り広く全体を調査この2つの調査を上手く使い分けられるかも重要に感じた。

さて本書ではコミケの各ジャンルにおけるサークル数の推移を調べたりし、全体を俯瞰しやすい構成となっている(P8〜P9)。これにより、どのジャンルの人気がどのように推移しているかを知る事ができる。コミケに根ざしたジャンルが強い事が数字で示されており、「この時これが流行っていた」と言うのを確認するのに良さそうだ。
自分としては線を引く用に1冊、保存用に1冊の合計2冊買っておけばよかったとやや後悔している。

最後に

データを分析した事のある人、他の記事と見比べた本書の特徴などを書いてみた。分かりにくい説明などがあったら申し訳ない。最後になるが、本書はデータ分析に興味のある方、そうでなくてもコミケやpixivやニコニコ動画の歴史を大まかに振り返りたい人にはぴったりの一冊と言える。同人誌ショップなどで見かけたら、是非購入を薦めたい。

同人誌名 コミケ,pixiv,ニコニコ動画 あるいはCGM文化の現在 2014
作者Twitter https://twitter.com/myrmecoleon
作者ブログ http://d.hatena.ne.jp/myrmecoleon/